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2026.03.25

IR専任者は本当に必要か?人を増やす前に見直すべきIR体制設計

IR専任者は本当に必要か?人を増やす前に見直すべきIR体制設計


【IR専任者 配置】設置の是非を判断する体制設計の考え方と実務ステップ


結論として、IR専任者は「100%専任で置かなければならない」という法的な強制力までは今のところありません。しかし、2025年の東証「企業行動規範」の改定により、IR担当役員や担当部署(窓口)の設置は義務化されており、全ての企業に「実効性のある体制」が求められています。

この記事では、専任・兼任・外部活用をどう組み合わせ、投資家の期待水準と東証の義務化を同時にクリアするかという、現実的な体制設計の判断軸を整理します。

【この記事のポイント】



 




 

この記事の結論



 




 

IR専任者は本当に必要なのか?


IR専任者は「義務ではないが、2025年以降は実質的に『専任に近い実効性』を証明しなければならない」存在です。

これまで、IR担当者を100%専任で置く法的強制力はありませんでした。しかし、2025年に東京証券取引所が「企業行動規範」を改定し、「IRの担当役員や担当部署(または窓口)の設置」を義務化しました。これにより、全ての企業はCG報告書に、誰が責任者で、どの部署が窓口かを具体的に記載しなければなりません。

ルール上は兼任も認められますが、投資家からは**「経理や経営企画が片手間でやっていると対話が進まない」**という厳しいフィードバックが出ており、東証も「実効性のある体制」を強く求めています。体制が不十分とみなされれば、実効性確保措置の対象となるリスクもあります。

現実的な判断としては、自社の面談件数や開示頻度を棚卸しし、「今の兼任体制で、投資家の期待と東証の要請に1〜2年後も耐えられるか」という視点で検討を始めるべきです。

 




 

どのような条件ならIR専任者を置くべきか?


IR専任者の配置を検討すべきタイミングは「IR需要が一定水準を超え、兼任では対応しきれない『実効性の欠如』が顕在化し始めたとき」です。

IR体制をどう評価すべきか?


IR専任者の有無だけでなく、以下の3軸で「体制の中身」を評価すべきです。

兼任体制と専任体制のメリット・デメリット


兼任体制はコストを抑えられますが、繁忙期にIRが後回しになり、対外的な「片手間感」が伝わるリスクがあります。専任体制は高度な戦略展開が可能ですが、採用・育成コストと閑散期の稼働設計が課題です。

重要なのは、専任を置くか否かの二択ではなく、**「兼任体制の不足分を、外部の専門的な伴走やテクノロジーで補う」**というハイブリッド型の設計です。

 




 

小規模〜中規模企業はどのようにIR体制を設計すべきか?


特に中小型株にとって「フル専任IR」の採用はハードルが高く、「ライト専任(部分専任)」や外部リソースの組み合わせが現実解となります。

中小型株で現実的なIR体制とは?


調査によればIR専任者がいない企業は約4割にのぼりますが、今後は**「誰がIRを担い、どのようなプロセスで経営陣に報告するか」**の明示が必須となります。 「管理部門長が窓口となり、週1〜2日はIR業務に集中する担当者を置く」「決算期は外部コンサルタントを導入して質を担保する」といった設計により、少人数でも東証が求める実効性を確保できます。

IR体制設計の6ステップ



 




よくある質問



A1. 100%専任である必要はありませんが、2025年の改定により、「担当役員や担当部署(窓口)の設置」は義務化されています。

A2. 兼任自体は認められますが、CG報告書で体制を説明できない場合や、投資家対応が滞り「実効性がない」と判断された場合は、改善を求められる可能性があります。

A8. 実務支援の活用は有効ですが、担当役員と窓口は社内に置く義務があるため、最終的なメッセージと対話の責任は社内に残す必要があります。

 





まとめ


IR専任者は一律に必要ではありませんが、「誰が責任を持ち、どう対話するか」という体制の明確化は、もはや避けて通れない義務です。

投資家から評価されるのは「専任者の人数」ではなく、情報の質・タイムリーさ・経営との一貫性です。兼任体制であっても、外部の専門家を「パートナー」として活用し、テクノロジーで業務を効率化すれば、東証が求める「実効性のある体制」は十分に構築可能です。
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